どうも、ポケポケオです。 今日も今日とて、YouTubeでエフェクターの試奏動画を見る毎日です。またまた気になっていたエフェクターが出てきたので、この度購入しました!
それが今回紹介する、FZ-1W FUZZです!
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FZ-1W FUZZの概要
日本が誇るエフェクターブランドのBOSS。歪みはもちろん、空間系や飛び道具のエフェクターでもその名を轟かせています。しかし実はファズの分野では、あまり世界的な名機を排出してきませんでした。FZ-2 HYPER FUZZ、FZ-3 FUZZという2機種を発売してはいたのですが、どちらも短命で生産中止となっています。
(とはいえ、最近ではFZ-2、FZ-3も評価されていますよ!デジタルということで敬遠されていたFZ-5 FUZZも「俺は好き!」という意見も増えているように思います。やっぱりBOSSはスゴい!)
そもそも、ファズの沼というのは深淵かつ広大なため、マニアからの評価が得られにくいんですよね。さらに、ロックの名演とビンテージの代表的ファズ(ファズフェイス、トーンベンダー、ビッグマフなど)があまりにも深く結びついているので、それらに近い音がでるオマージュ・リメイクでないと受け入れられにくいという土壌もありました。
で、FZ-1Wですが、このエフェクターを語る前に欠かせないのが、前述のトーンベンダーを作っていたSOLA SOUNDとのコラボレーションによって生まれたTB-2W Tone Bender。全世界で約3,000台の限定生産ということもあって、一瞬で売り切れ、高額転売の餌食になってしまいました。
BOSSもそれは不本意だったのか、TB-2Wの発売後、程なくして発表されたのがこのFZ-1Wです。パーツの問題で限定的な生産を強いられていたTB-2Wと違い、一部パーツを変更して安定供給できるように体制を整えたうえで発売されました。
前置きが長くなってしまいました。レビューをはじめていきましょう!
FZ-1W FUZZの外見
ファズらしいイメージどおりな無骨なデザイン
これまでのBOSSのファズを踏襲したようなシルバー……なんですが、ハンマートーンというのでしょうか、単なるシルバーでも金属むき出しでもない、独特の風合いです。以前紹介したJB-2 AngryDriverとはつまみの数・色、筐体色が違うだけなのですが、ずいぶん印象が異なりますね……。
つまみは左から、レベル、トーン、ファズ。ファズは一般的にいうゲインでしょうね。基本的なレイアウトです。トーンの真上に音の方向性を変えるピンスイッチがあり、より従来のファズらしさを感じさせるビンテージモードと、より使いやすいモダンモードに切り替えることができます。(これ真ん中にして、両方のモードを同時に出せないかな?と思ったんですが、そもそも真ん中にすることが無理でした笑)
ちなみにTB-2Wにあったバッファーの切り替えスイッチはありません。もちろん、BOSSのWAZAシリーズに搭載されている高品質なバッファーは搭載されています。
FZ-1W FUZZ 2つのモード
ロックの名演で聞けたサウンドから、破綻寸前の音も出せるビンテージモード
「毛羽立った」という意味を持つ「FUZZ」の言葉どおり、ザラッとした迫力のある音がでます。またトーンコントロールの効きがよく、ファズとトーンを3時以降と高めに設定することでブチブチとした感じも出すことができます。BOSSの公式によると、中音域は変えずに明るさだけを変化できるチューニングがされているとのこと。音作りの際には、積極的にトーンをいじってみると楽しいですよ。
ファズは一般的につまみをフル近くまであげてこそ本領を発揮するエフェクターですが、FZ-1Wも同様のことがいえます。ボリュームもファズも2時以降ぐらいから力強いファズらしさを感じられると思います。単音のリフでもガツーン!!と鼓膜を震わせるパワフルな演奏ができます。
でも!ローゲインも悪くないんですよ!ローファイなサウンドを狙いたいときに使ってみても面白いです。前の段と矛盾するようですが、各ツマミが相互に影響を及ぼしているようなので、音作りとじっくり向き合える奥深さもあります。
さらにファズならではの、ボリュームにも反応しやすい点もFZ-1Wはしっかり兼ね備えています。といってもゲルマニウムトランジスタを使ったファズフェイスのような、チャリーンとしたクリーンはさすがに難しいですね。ボリュームを絞っていくと徐々にクリーンに近づいていきますが、いわゆる鈴なりを期待すると物足りなさを感じると思います。
またあえてゲインを抑えめにし、逆にボリュームを高く設定したときの音もおすすめです。歪ませたアンプに使うとオーバードライブとは一味違ったファズならではのサウンドが楽しめますよ。
また画像のように後段に歪みエフェクターをおくと、ディストーションよりの使いやすいサウンドになります。これは他のファズでも使えるテクニックですよ!
現代的で使いやすく、よりハイゲインな音が出せるモダンモード
ヴィンテージモードが過去の名作を踏襲したサウンドなら、モダンモードはそれをベースに現代的なテイストに仕上げた印象を受けます。簡単に言えば、より使いやすいモードってことですね。
中域~低域がよりブーストされ、歪みの量も増えます。ビンテージファズへの「もう少しガッツを足したい!」「ちょっとだけ図太く!」という需要に答えたモードかと思います。ファズエフェクターの中には、強烈なディストーションに近いサウンドのものもありますが、そちらに近づけるのであればモダンモードがおすすめです。
意外だったのが、モダンモードでもボリュームの変化が、ある程度反映されるところ。ビンテージモードに比べると大幅な変化はしませんが、それでもボーカルの後ろではボリュームを絞り、ギターがメインになる部分でボリュームを上げるといった使い方に十分対応しうるのではないでしょうか?
FZ-1W FUZZのメリット・デメリット
さまざまなビンテージファズのフレーバーが出せる!
BOSS公式ページには、60年代のビンテージ・サウンドを独自解釈し、現代のプレイヤー向けて再構築したペダルとあります。「独自解釈して再構築」これを私は当初、「伝説的なエフェクターを現代風にアレンジした」というよくある宣伝文句だと思っていました。
ただセッティングの参考にYouTubeでFZ-1Wの動画を見ていると、あることに気づきました。動画によって音のキャラクターがかなり異なっているのです。これはそのまま、サウンドバリエーションの豊富さにつながると思います。また他のエフェクターとの比較動画も観て気付いたのですが、さまざまなファズに近づけることができるんですね。
つまり、「独自解釈して再構築」というのは、さまざまなビンテージファズのニュアンスを取り入れつつ、現代の音楽でも通用するものを作ったということだと私は解釈しました。FZ-1Wはいろいろなビンテージファズの一面が垣間見える、全く新しいファズなんです。
これ1台あればファズフェイス的なサウンドも出せますし、ビッグマフ的なサウンドも出せます。もちろん、あくまでニュアンスですが。もし明確に出したい音が決まっているなら、本物を選ぶほうが近道でしょう。ファズフェイスミニやビッグマフナノシリーズと、手頃な価格で本格サウンドが出せる商品があります。
ただ、ファズというエフェクターはあまりに広大です、一種の宇宙です。オーバードライブ的な軽い歪みも、壁のような轟音もどっちもファズの範疇なんですね。しかも「それぞれの機種にマニアがいて、かつそれぞれの機種に沼がある」そんなジャンルのエフェクター、めったにないと思います。
FZ-1Wの素晴らしさは、そんな一つの宇宙とも言えるファズを、単なるカタログにとどまらず、使える歪みエフェクターとしてまとめていることです。誤解を恐れずに、誇張した言い方をすればアナログファズのマルチエフェクターと考えても良いかもしれません。一つあれば、いろいろなファズらしさをしっかり表現できます。
残念ながらTB-2Wの代わりにはならないかも…
あっという間に買えなくなったTB-2Wの後に発売されたこともあり、FZ-1Wで似たような音が出せるのか?というのは気になるポイントかと思います。私もTB-2Wはとても手が出せないので、YouTubeの動画と比べた印象でしかないのですが、代用品として使うものではないのかな?と感じています。
いわゆるファズの音といっても、いろいろな側面がありますがTB-2Wは比較的ゴリゴリなイメージ、四角いブロックみたいな角張った印象があります。FZ-1Wでも近づけることは不可能ではないのですが、個人的にはどこか丸み、温かみが残ります。もし「トーンベンダー系がほしい!」とはっきりした希望があるならば、そちらを謳った商品を探してみることをおすすめします。
発売時期や経緯などもあり、TB-2Wの大量生産モデルを期待してしまうのは人情ですが、そもそもFZ-1Wのコンセプトはそこにはありません。メリットでも触れましたが、明確に「このファズの音がほしい!」という場合は、それを買うべきだと思います。
またさすがにゲートファズ、オクターブファズのような音も出すのは難しいです。
FZ-1W FUZZについてのまとめ
ファズ入門機として間違いなくおすすめのエフェクター
FZ-1W、ネットの評判では、「こんなものを買うなら本物買う」「高い水準でまとめてきたBOSSの本気ファズ」となかなか賛否両論分かれているエフェクターです。(2024年にレッド・ホット・チリ・ペッパーズが来日した際、ギタリストのジョン・フルシアンテが使用していることがわかってからは、賛の意見が以前より目立っている気もしています笑)
特にファズはこだわりの強いマニアがいっぱいいて、「もう少しお金を出したらもっと良いのを買える」なんて考える方も多いのではないでしょうか。前述のファズフェイスミニやビックマフナノシリーズもあり、価格帯的な競合が多いのも事実です。
しかし、FZ-1Wはファズフェイスと違ってワウの直後に繋いでも音が破綻しません。またモダンモードでビックマフぽい轟音を出しつつ、ビンテージモードでボリュームによる変化を楽しむこともできます。
機能も音も「歴代の名機の良いとこ取り」そんなエフェクターがFZ-1Wです。またビンテージファズって音作りもそうですけど、メンテナンス性も気難しいところがあるんですよね。ゲルマニウムトランジスタを使ったファズは室温で音が変わったりするんですよ……。FZ-1Wはビンテージファズのフレーバーを、ストレスフリーで楽しめます。しかもローノイズ。さすがBOSSといったファズです。
FZ-1Wがおすすめなのは「とりあえずファズ的なエフェクターがほしい」といった方。ただ歪みエフェクターとして最初の1台には向いていないかもしれないです。クリーンなアンプを歪ませるものというより、少しクランチ気味にしたアンプをブーストさせる使い方をぜひしてほしいです。
私が思うにFZ-1Wは、BOSSが出したファズ沼へ招待状です。「もうちょっとこういう音にしたいな…」そんなファズ自我が目覚めた方は、ぜひ本家のヴィンテージやその発展系に手を出してみてください。大丈夫。もし沼に浸かりきって疲れ果てても、FZ-1Wはあなたを優しく迎え入れてくれることでしょう。
主な仕様
項目 | 詳細 |
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製品名 | FZ-1W FUZZ |
主な仕様 |
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外形寸法 | 幅 (W):73 mm 奥行き (D):129 mm 高さ (H):59 mm |
質量 | 430g(乾電池含む) |
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